ウオッカの回避でディープスカイが1本被りの人気になりそうな今年の宝塚記念ですが、2005年以降のこのレースを振り返ってみると、前走としてもっとも好成績を上げているのは、ディープスカイが出走していた安田記念ではなく、天皇賞(春)になっています。ですので今回の検証も天皇賞(春)から始めてみたいと思います。
*表1. 天皇賞(春)過去5年の時計比較
[注] 背景黄色は次走の宝塚記念でも連対を果たした馬を表す。また5F毎の計測ではスタート直後の1Fは削除しています。
*表2. 天皇賞(春)と同週(あるいは前週)の古馬1000万下芝1800時計比較

*表2.の各年の勝ち時計比較から考えると、今年の馬場状態は例年並みでごく普通と言えそうです。また同じく*表2.から時計ひとつ速い馬場だったことが伺える'05は、(小雨だったとは言え・・・)天皇賞(春)の勝ち時計は最も遅く、レースレベルに疑問が残る気がします。実際この年、この後宝塚記念で連対したのは5着だったハーツクライで、上位入線馬は用無しに終わりました。
馬場状態が例年並みとして考えると、勝ち時計・ラップタイムともに酷似している'07の結果が参考になりそうです。この時の勝ち馬は2番人気メイショウサムソンでした。それに対して今年の勝ち馬マイネルキッツは12番人気という低評価。悪く言えば「まぐれ?」と考えることも出来るだけに、慎重なジャッジが必要に思えます。
*表1.をもう少し詳しく考えるため、両年のハロンラップを抜き出してみます。下記*表3.をご覧下さい。
*表3. 天皇賞(春)ハロンラップ比較比較

前半、中盤、終盤と11秒台のラップが連続して表れていることを考えると、レースレベルそのものはけっして低くはないと思います。例年と比較しても見劣るものではないですから、宝塚記念でも好勝負できる下地はあると考えてよいでしょう。
ただ1つ見逃せないポイントがあります。それはレース中盤に記録されている「13.0-13.0」という中だるみのラップタイムと、勝ち馬マイネルキッズの道中の通過順「10-10-4-4」がリンクしていることです。
つまりマイネルキッズが好位までポジションを押し上げてきたのは、道中のラップが中だるみに入った「13.0-13.0」の部分であり、それまでの11秒台が連続していた部分では後方待機を決め込んでいたわけです。「13.0-13.0」の部分で無理することなく押し上げていき、直線でもポッカリ開いたインをすくって突き抜けたわけですから、これは非常に経済的な鞍上の好騎乗と言わざるを得ません。
冒頭の*表1.でも赤字で記しましたが、天皇賞(春)上位馬で次走の宝塚記念でも連対を果たした馬は、いずれも4角を前目で通過していました。裏を返せば長距離を走ってきた後であっても、前目で最後の勝負に出られるスタミナと底力が要求されているのでは?とも推測できます。
マイネルキッズもこの「好走条件」を満たしてはいますが、上記のような好騎乗の賜物だったとしたら、果たして鵜呑みにして良いものでしょうか?まして2着だったアルナスラインの方は、スタートからマイネルキッズより前でレースを進め、4角もマイネルと同じ4番手、それも外目を通って伸びてきていましたから、じつはレース内容的に最も濃かったのは、このアルナスラインだったのでは?とも考えられます(3着ドリームジャーニーは追い込み競馬だっただけにこの条件は満たさない)。
今年の天皇賞(春)は宝塚記念に直結できるレースレベルだったと言えます。ただし今回より期待が出来るのは2着だったアルナスラインの方。「アルナスライン>マイネルキッズ>ドリームジャーニー」が結論です。
【レース映像】
http://jra.jp/datafile/seiseki/g1/haruten/result/haruten2009.html
【レース後談話】
http://sports.nifty.com/cs/headline/details/hr-rn-20090503011/1.htm