個別に見ておきたい馬もいます。昨年の高松宮記念馬スズカフェニックスです。今年はここまで未勝利ですが、その末脚の破壊力は承知のとおりです。ここで「不死鳥復活」となるでしょうか。
*表1. スズカフェニックスの距離別平均時計(OP入り後・良馬場限定)
| 距離 | 昨年まで | 今年 |
| 走破時計 | 前3F-後3F | 走破時計 | 前3F-後3F |
| 1600 | 1.32.8 | 35.5-33.7 | 1.33.4 | 35.6-34.1 |
| 1400 | 1.20.6 | 34.9-34.0 | 1.20.9 | 35.5-33.6 |
| 1200 | - | - | 1.07.6 | 34.7-32.9 |
上記*表1.を見ると、この馬自身のパフォーマンスにやや「下り坂」傾向が伺えます。走破時計面もそうですが、この馬の最大の武器である上りに関しても、1600で0.4落としているのに加え、1400でも前半との兼ね合いを考えれば実質的には0.2落としている計算になります(前半0.6楽をしているのに上りは0.4しか速くなっていない)。今年未勝利の背景には、この表からも読み取れる「力の衰え」もあるのかもしれません。
*表2. 年度別距離別の着順
| 距離 | 年度 | レース名 | 時計 | 着 |
| 勝ち時計 | 前3F-後3F |
| 1600 | '08 | 安田記念 | 1.32.7 | 34.6-34.8 | 5 |
| '07 | マイルCS | 1.32.7 | 34.4-34.7 | 3 |
| 安田記念 | 1.32.3 | 34.1-34.8 | 5 |
| 東京新聞杯 | 1.32.7 | 34.8-34.4 | 1 |
| 富士S | 1.32.8 | 34.9-34.1 | 3 |
| 1400 | '08 | 京王杯SC | 1.20.8 | 34.7-34.6 | 3 |
| 阪急杯 | 1.20.7 | 34.7-34.6 | 2 |
| '07 | 阪急C | 1.20.6 | 34.4-34.6 | 1 |
| 阪急杯 | 1.20.5 | 34.3-34.8 | 3 |
| 1200 | '08 | セントウルS | 1.07.3 | 33.5-33.8 | 8 |
| 高松宮記念 | 1.07.1 | 33.4-33.7 | 3 |
| '07 | 高松宮記念 | 1.08.9 | 33.8-35.1 | 1 |
*表1.を踏まえて*表2.も見てみましょう。ちょっと頭を使いながら見て下さい(笑)。
例えば昨年('07)の1600の場合。富士Sは自身の平均と比較すると、「前3Fで0.6速く」「後3Fで0.4遅い」わけです。差引すると「前3Fで出来た0.2のハンデ」を、0.2だけ挽回しきれない計算になります。その結果が3着。
同じように安田記念では、「前3Fの1.4のハンデ」を「後3Fで1.1」しか挽回できず(0.3差)に5着。マイルCSでは「1.1のハンデ」を「1.0」しか挽回できず(0.1差)に3着惜敗。逆に東京新聞杯では「0.7のハンデ」をきっちり「0.7取り返して」見事1着なわけです。
1400でも同じようなことが言えます。阪急Cでは「前3Fで0.5のハンデ」を「後3Fで0.6」跳ね返して1着。阪神Cでは「0.6のハンデ」を「0.8」跳ね返しましたが、こちらは自身の持ち時計以上の決着だったためわずかに及ばず・・・。
上記のような考え方は今年に入ってもあてはまる結果になっています。言ってみればこの馬の場合、発揮できるパフォーマンスというのが、時計面から非常に計算しやすいタイプであるわけです。
そしてこのスプリンターズSの場合ですが、この時期に移行されてから良馬場で行われた過去4回の平均をとってみると、「勝ち時計=1.07.6」「前3F-後3F=32.9-34.7」になります。自身のパフォーマンスから考えれば、「前3Fで1.8のハンデ」を「後3Fで1.8」挽回できることになり、能力的には好勝負に持ち込める計算になるわけですが、*表1で指摘したようにやや「下り坂」の気配も伺えるだけに、終わってみればわずかに及ばず善戦止まり・・・という結果になりそうな気もするのですが・・・。
【JRAホームページ/スプリンターズS特集】
http://jra.jp/keiba/thisweek/2008/1005_1/index.html