大方の予想通り、春のマイル2冠馬ラインクラフトとオークス2着馬エアメサイアの一騎打ちとなり、最後はエアメサイアがゴール前できっちり差し切り、重賞初制覇を達成するとともに、秋華賞に王手をかけました。伊藤雄調教師はマックスビューティ、シャダイカグラ、ファインモーションに次いでこのレース4勝目。武豊騎手はシヨノロマン、シャダイカグラ、ファレノプシス、アドマイヤグルーヴに次いでこのレース5勝目を挙げました。なお3着のライラプスまでが秋華賞への優先出走権を獲得しました。
パドックからややテンションが高かったラインクラフトが、スタート直後から掛かり気味に2番手を進む展開。オークス同様にスローに落としたエイシンテンダーでしたが、4コーナー手前でラインクラフトが押し上げると早くも一杯になり後退。直線に入っていったんは後続を2馬身ほど離したラインクラフトでしたが、さすがに最後は脚が上がり、ゴール前で追い込んできたエアメサイアに交わされたという競馬でした。
当欄の予想では、距離に不安があるラインがエアより後ろを進む展開と読んでいましたが、実際には全くの逆。掛かり気味に行きたがる馬を『馬の気に任せて』行かせてしまうのは彼のよく使う手であり、それが良いのか悪いのかは別にして、今回は結果的にラインクラフトにとってはかなり厳しい競馬だったと思います。それでも差して来れたのはエアメサイアだけということで、この上位2頭と3着以下の差は、3馬身半という着差どおりの能力差があると判断して良いでしょう。
道中の流れを見てみると前3F-前5Fの通過が36.2-61.0というスローペース。しかしレースレコードだった昨年を除けば、過去5年の平均は36.4-61.1ですから、今年の流れは平均的なもの。アドマイヤグルーヴが勝った'03年は36.4-61.0、ファインモーションが勝った'02年は36.4-60.8でした。しかし今年の場合、これらと決定的に違う点があります。それは上がりの優秀さです。下記の表を見て下さい。過去5年のレースの上がりと勝ち馬自身の上がりをまとめたものです(レコード決着の'04年は除く)。
| 年度 | 勝ち馬 | 勝ち時計 | 前3F | 前5F | 後3F | 勝ち馬後3F |
| 2005 | エアメサイア | 2:00.1 | 36.2 | 61.0 | 34.7 | 34.2 |
| 2003 | アドマイヤグルーヴ | 2:01.5 | 36.4 | 61.0 | 36.2 | 34.5 |
| 2002 | ファインモーション | 2:00.1 | 36.4 | 60.8 | 35.2 | 34.9 |
| 2001 | ダイヤモンドビコー | 2:01.9 | 36.7 | 61.9 | 34.8 | 34.6 |
| 2000 | ニホンピロスワン | 2:00.3 | 35.9 | 60.6 | 35.9 | 34.9 |
レースの上がり、勝ち馬の上がり、いずれもが他を圧倒しています。加えて2着のラインクラフト自身も34.8で上がっていますから、今年の上位2頭は例年以上のレベbルにあると言っても過言ではないでしょう。時計面や内容から考えると、本番もこの2頭が中心となることに異存はありません。
ただエアメサイアは前走のオークスから8kg減の馬体重。数字的には桜花賞時と同じですが、デビュー戦の馬体重を考えれば夏の間にもう少し成長がほしかった気がします。血統的にも使って上積みを期待するというよりも、常に持っている能力は発揮できるタイプですから、次走で今回以上のパフォーマンスがあるかというとどうかと思います(直線平坦の京都コースの恩恵はあるかもしれませんが)。GIで混戦になった場合にあともう1歩の押しがあるかどうか。ここがGI馬になっるか、母同様のTRホースで終わるのかの境目でしょう。
同様にラインクラフトにしても休み明けでテンションが高かったというのを考慮しても、二千は少し長いのではという懸念は伺えました。母父がSSということを考えれば、同じ父の昨年の優勝馬スイープトウショウよりも距離適性は高くて良さそうなものですが、どうにも気性面の危うさが不安を掻き立てます。私には圧倒的な強さを誇ったマイル戦ほどの信頼性には欠けるなと思えました。つまりこの2頭が中心であることには異存はないが、絶対的な存在ではない、というのが素直な感想で、馬券を買うならこの2頭の2着付けから馬単流しで買ってみたいと考えています。
【レース映像】JRA Video Interactive
http://www.sanspo.com/keiba/top/ke200509/ke2005091903.html
【ローズS】ラインを撃破!ユタカも確約、女王はメサイア!
http://www.sanspo.com/keiba/top/ke200509/ke2005091903.html