今年のダービーは前日からの雨で稍重馬場での開催。ただ稍重とは言っても発表が変わったのは直前の9Rからですし、その9Rむらさき賞の勝ち時計から見ても実際は重馬場と変わらない状態だったように思います。いずれにしてもかなり時計のかかる馬場状態ではあったようです。
*表1. 過去5年のダービー時計比較
| 年度 | 馬場 | 勝ち時計 | 上がり | 前3F-5F-後3F | むらさき賞 |
| '06 | 稍 | 2.27.9 | 35.1 | 37.4-62.5-35.3 | 1.48.3 |
| '05 | 良 | 2.23.3 | 33.4 | 35.5-59.9-34.5 | 1.46.2 |
| '04 | 良 | 2.23.3 | 35.4 | 34.4-57.6-35.9 | 1.45.4 |
| '03 | 重 | 2.28.5 | 35.3 | 36.4-61.1-36.3 | 1.48.9 |
| '02 | 良 | 2.26.2 | 34.7 | 36.7-61.7-35.6 | 1.47.8 |
| '01 | 重 | 2.27.0 | 35.6 | 34.4-58.4-37.0 | 1.49.3 |
実質重馬場だったと考えても、今年のダービーはかなりのスローの展開。スタート直後こそ、ハナを主張したアドマイヤメインにフサイチリシャールが絡むシーンも見られましたが、隊列が決まると後は終始淡々とした流れでした。前半のラップ「37.4-62.5」は同じ重馬場だった'01、'03よりも断然遅いものですし、それでいてレースの上がりが35.3では、馬場も考えれば後方待機の馬たちには全く出番がありません。
ただ前後半差2秒1という後傾ラップは、本来なら勝ち馬や2着馬が得意とするパターンではなく、人気を集めた差し馬たち(フサイチジャンク、アドマイヤムーン、サクラメガワンダー)にこそ絶好の展開だったはず。その条件で伸び切れなかったという結果は、単に馬場が影響したのかそれともすでに賞味期限切れなのか、判断が微妙なところです。尻すぼみ状態のアドマイヤムーン、サクラメガワンダーは「賞味期限切れ」の不安はプンプン感じます。フサイチジャンクについてはもう少し猶予を与える必要はあるかもしれませんが(ただこちらもタイガーカフェの全弟と考えると・・・)。
勝ったメイショウサムソンは終始前々の絶好位を追走。折り合いや馬場等の不安も微塵も感じさせず、直線でも楽に抜け出してきました。鞍上が手綱を緩めるのが早かったのもご愛嬌。手応えからして後続に交わされる心配はなく、着差以上の快勝だったと言えるでしょう。これがすでに11戦目ながら、ここに来て本格化してきている感があり、血統的に距離延長は問題なし、脚質的にも紛れが少ないタイプですから、順調に行けば昨年のディープインパクトに続いて、2年連続の3冠達成のシーンもあり得ます。
さて◎に期待したアドマイヤメイン。2着に粘り期待に応えてくれました(勝てなかったのは残念ですが)。「
ダービーの傾向と対策(4)」や「
青葉賞回顧」でも指摘したとおり、この馬の青葉賞で見せたパフォーマンスはすでにダービー勝ち負けレベルにありました。振り返れば「
皐月賞の傾向と対策(6)」で毎日杯を検証した際にも、「皐月賞に出走していれば好勝負は確実だったはず」とも書いていた馬。当ブログのお手馬になるのでしょうか。
またダービーを考えた時、この馬の存在は単に「トライアル勝ち馬」というだけでなく、展開面でも大きな意味合いを持ちます。「皐月賞回顧」でも触れたように、今年は「前半スローの決め手比べ」に良績が集中している有力馬が多く、この馬や皐月賞馬メイショウサムソンのような、持久力で勝負するタイプはどちらかと言うと異色の存在です。それだけに「逃げ」=アドマイヤメイン、「番手(先行)」=メイショウサムソンと、前でレースを作る役割を果たすのがこの2頭となると、皐月賞時のような展開の再現になる公算が高く、あそこで人気を背負って負けた「決め手勝負歓迎」組の馬達にとっては、巻き返しはかなり厳しい状況になってくるのではないでしょうか。
上記は「
青葉賞回顧」で当ブログが述べた見解ですが、手前みそながらまさにその通りの競馬。3着に入ったのも皐月賞2着馬ドリームパスポートだったというのも、けっして偶然ではないと思います。
ただひとつ言わせてもらうなら・・・。この後傾ラップの逃げと言うのは、アドマイヤメイン本来の逃げではなかったということです。この馬本来の逃げは、前後半のラップ差が少ない淀みない流れ。後続になし崩しに脚を使わせる型です。
*表2. アドマイヤメインのダービーと青葉賞のラップ比較(上:ダービー、下:青葉賞)
| 時計 | 上がり | ハロンラップ | 前3F-5F-後3F |
| 2.28.0 | 35.4 | 12.6-11.8-13.0-12.8-12.3-12.7-12.9-12.5-12.0-11.5-11.8-12.0 | 37.4-62.5-35.3 |
| 2.25.3 | 35.3 | 12.6-11.1-12.0-12.4-12.3-12.1-12.5-13.0-12.0-11.5-11.6-12.2 | 35.7-60.4-35.3 |
今回は馬場状態という後押しもあって粘りこみが効きましたが、上がりの時計を見る限り、この馬は展開や馬場状態にあまり左右されず、良くも悪くも35秒台前半で上がってくるタイプに思えます。つまり35秒台前半がこの馬にとって上がりの限界とも言えるわけで、良馬場で他がもっと切れる脚を使える状態だったなら、この逃げでは後続に差されていた可能性もあったのでは・・・という気がします。もちろん結果として「馬場状態」+「上がりが速い競馬」が、後続の追撃を封じ込める形にはなったわけですが、もっと思い切って行っていたらどうだったか。見てみたかった気もします。
ここのところ今ひとつ結果の出ていなかった「傾向と対策」企画ですが、今回はなかなかの成功だったと思います。ダービーはやはりどうしても当てたいレース。おかげさまでブログ開設以来、2年連続でダービーを的中することが出来ました。まだ来週の安田記念、そして宝塚記念とGIレースも残っていますが、どこか肩の荷が下りた気分です(笑)。今後もお付き合いをお願いします。
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【レース映像】JRA Video Interactive
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