残るステップレースとしては、マーガレットSがあるわけですが、このレースは今年は重馬場での開催。例年より5秒近くも遅い決着となったレースだけに、このレース自体を検証してもレベルうんぬんは語れそうもありません。そもそも勝ったエムエスワールド、2着のモエレフィールドはともにマイル戦に良績がなく、今回のレースで勝ち負けになる確率は低いと思われます。
今日は直接のステップレースではありませんが、1400~1600のレースで高い能力を示してきた馬をピックアップします。対象となるレースはジュニアC、クロッカスS、アーリントンCの3鞍です。
*表1. ジュニアC('06/01/05 中山競馬場芝1600 3歳OP)
| 馬名 | 走破時計 | 着差 | 通過順 | Ave3F-上がり3F | PCI(3) |
1着馬 | キンシャサノキセキ | 1.33.6 | - | 11-10-8 | 35.58-34.3 | 52.9 |
2着馬 | アドマイヤカリブ | 1.33.6 | ハナ | 1-1-1 | 34.68-35.8 | 41.4 |
レース | - | - | - | - | 34.9-57.8-35.8 | 47.6 |
*表2. クロッカスS('06/01/28 東京競馬場芝1400 3歳OP)
| 馬名 | 走破時計 | 着差 | 通過順 | Ave3F-上がり3F | PCI(3) |
1着馬 | アドマイヤカリブ | 1.21.7 | - | 4-3 | 35.55-34.3 | 52.7 |
2着馬 | ステキシンスケクン | 1.21.7 | アタマ | 1-1 | 35.25-34.7 | 49.3 |
レース | - | - | - | - | 35.0-58.3-34.7 | 50.2 |
*表3. アーリントンC('06/02/25 阪神競馬場芝1600 3歳G3)
| 馬名 | 走破時計 | 着差 | 通過順 | Ave3F-上がり3F | PCI(3) |
1着馬 | ステキシンスケクン | 1.34.7 | - | 1-1-1 | 35.46-35.6 | 46.0 |
2着馬 | ロジック | 1.35.3 | 0.6 | 9-9-5 | 36.00-35.3 | 49.9 |
6着馬 | キンシャサノキセキ | 1.35.8 | 1.1 | 8-7-5 | 35.94-35.9 | 46.8 |
レース | - | - | - | - | 35.1-59.1-35.6 | 47.0 |
上記の表から対象馬がキンシャサノキセキ、アドマイヤカリブ、ステキシンスケクンの3頭であることが察しがつくと思います。各々のレースの検証はレース回顧(
ジュニアC、
クロッカスS、
アーリントンC)を見ていただくとして、当ブログの評価としては、クロッカスSのレースレベルに特に注目しています。
*表4. '06 1回東京開催芝1400勝ち時計ベスト3
順 | レース名 | 条件 | 走破時計 | 上がり | 前3F-5F-後3F | PCI(3) |
1. | バレンタインS | 古馬1600 | 1.21.6 | 34.3 | 35.3-58.2-34.6 | 53.4 |
2. | クロッカスS | 3歳OP | 1.21.7 | 34.3 | 35.0-58.3-34.7 | 50.2 |
3. | 甲斐駒特別 | 古馬1000 | 1.22.2 | 33.6 | 35.5-59.0-34.8 | 58.6 |
- | 東京新聞杯 | 古馬G3 | 1.21.7 | 33.9 | 35.7-59.1-34.6 | 53.5 |
*表4.のとおり、クロッカスSの勝ち時計は、同開催の古馬準OPとほとんど同じという優秀なもの。古馬1000万下には0.5もの時計差をつけていますし、同日に行われた古馬G3の東京新聞杯(芝1600)の1400通過時計と比較しても全くの同タイム。しかも前後半のラップタイムまでもほぼ同じということで、明けて3歳になった直後のレースとしては、かなりのハイレベルの競馬だったと思われます。
ここの勝ち馬アドマイヤカリブは、*表1.ジュニアCでキンシャサノキセキに惜敗していますが、これは休養明けで暴走に近いハイラップを刻んだためと考えられ、負けて強しの内容でした。むしろあれだけのハイラップを刻みながら、上がり3Fが11.8-11.9-12.1と止まっていない点は驚異的。東京のマイルだからと言って、バッタリ止まる危険性は低いと思われます。
またこれと互角の競馬をしたステキシンスケクンも、続くアーリントンCでキンシャサノキセキや、NZTで3着したロジックを全く問題にしなかったようにかなりの能力の持ち主。皐月賞は明らかに距離不向きでしたから、あの惨敗は気にしなくて良し。距離短縮で一気の巻き返しも十分可能です。
それを考えるとキンシャサノキセキは、前述2頭にはやや劣る印象は否めません。ジュニアCは展開利がありましたし、アーリントンCやマーガレットSでは結果が出ていません。ジュニアCでの1.33.6の持ち時計がある以上、安易に切り捨てるのは危険ではありますが、展開が嵌った場合の伏兵という評価で構わないのではないでしょうか。
さらに付け加えると、前半1000通過が58秒台、上がり34秒台を要求されるNHKマイルCに、一番近い激流ラップを体験しているのは、アドマイヤカリブとステキシンスケクンの2頭だけです。フサイチリシャール、マイネルスケルツィの2頭がいるおかげで、人気面でもせいぜい4番人気前後でしょう。枠順も文句ないだけに、狙い目は十二分にあると思います。
ここまでのマイル戦を見渡して、
アドマイヤカリブと
ステキシンスケクンの2頭を、今日のところは推奨したいと思います。
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