今年から始まったサマースプリントシリーズですが、ここで上位10位までに入った馬のうち、6頭(日本馬のみ)がスプリンターズSに参戦してきました。そこで今回はサマースプリントシリーズと、スプリンターズSの関連性について考えてみたいと思います。
サマースプリントシリーズは当然ローカル各場で行われたわけですが、小回り・平坦・短い直線・洋芝といったコース特性や、暑い夏場の開催という時期的な問題など、競走馬が持つ競走能力以上に、施行条件への適応力が要求されたシリーズだったと思います。
*表1. サマースプリントシリーズ上位馬の競馬場別成績
| 馬名 | 競馬場別成績 |
| 札幌 | 函館 | 福島 | 新潟 | 東京 | 中山 | 中京 | 京都 | 阪神 | 小倉 |
| シーイズトウショウ | 0-1-0-0 | 2-1-0-0 | 0-0-1-0 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 0-0-0-3 | 4-0-2-2 | 0-2-2-4 | 0-3-0-4 | 1-1-0-0 |
| ビーナスライン | 1-0-2-2 | 4-0-1-0 | 0-0-2-0 | 未 | 1-0-0-6 | 0-1-2-3 | 0-1-0-0 | 未 | 0-0-0-2 | 未 |
| チアフルスマイル | 4-0-1-3 | 1-1-0-0 | 0-0-0-1 | 1-0-0-0 | 0-0-0-3 | 0-0-1-1 | 0-1-0-1 | 1-1-2-4 | 1-0-0-2 | 未 |
| ブルーショットガン | 1-1-2-2 | 2-2-1-9 | 0-0-0-1 | 未 | 未 | 0-0-0-1 | 0-1-0-2 | 2-0-1-9 | 2-1-1-8 | 0-1-0-1 |
| ゴールデンキャスト | 未 | 未 | 1-0-1-1 | 0-0-0-1 | 0-0-0-3 | 0-0-0-5 | 0-0-0-7 | 1-0-1-5 | 3-0-0-2 | 3-3-2-2 |
| リミットレスビッド | 0-0-0-1 | 未 | 0-0-0-1 | 未 | 1-0-0-1 | 1-0-1-0 | 0-0-2-3 | 2-1-1-3 | 2-3-0-0 | 2-0-0-3 |
[注]
競馬場名=赤はサマースプリントシリーズのレースが開催された競馬場。
背景色=水色はサマースプリントシリーズで出走したレースの開催場。
*表2. サマースプリントシリーズ上位馬のシリーズ成績
| 馬名 | 第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 |
07/02 函館SS | 07/16(中2週) アイビスSD | 08/13(中4週) 北九州記念 | 08/27(中2週) キーンランドC | 09/10(中2週) セントウルS |
| シーイズトウショウ | 2着 | - | - | 2着 | 1着 |
| ビーナスライン | 1着 | - | - | 3着 | - |
| チアフルスマイル | - | - | - | 1着 | - |
| ブルーショットガン | 3着 | - | - | 4着 | - |
| ゴールデンキャスト | - | - | 2着 | - | 8着 |
| リミットレスビッド | - | - | 5着 | - | 4着 |
上記*表1からわかるのは、このシリーズで上位に入った馬と言うのは、先にも書いたコース適性というファクターで、非常に特化していた馬ばかりだったということです。とくにシーイズトウショウやビーナスライン、チアフルスマイルなどは、自身の勝ち鞍のほとんどを稼いでいるコースのレースで、着実に加点・結果を残しました。中山コースでの実績と比較すれば一目瞭然ですが、シリーズ上位馬にとってよりチャンスの多いレースは、スプリンターズSではなく当然ローカル開催のサマースプリントシリーズだったわけです。
それが顕著なのがシリーズ優勝馬で、今回も人気の一角を占めそうなシーイズトウショウでしょう。上位入賞馬では唯一3レースに出走しました(*表2.参照)。優勝がかかった最終戦が、自身最も得意としている中京のセントウルSで、その賞金は5,000万円。スプリンターズSでは2着の賞金が3,800万円ですから、どちらを取りに行くのが得策かは考えるまでもありません。結果思惑通り賞金ゲットに成功しましたが、牝馬には厳しい中2週での長距離輸送、大幅馬体減(10キロ減)という代償を支払ったわけで、常識的に考えればもうすでにここで好走するお釣りはない、と考えるべきでしょう。
他の上位入賞馬にしても、ローテーション面での不安はなくても、中央場所とローカル場での成績には大きな差がありすぎ、それが今回いきなり大駆けすると考えるのは無理がある気がします。サマースプリントシリーズはあくまで、中央場所では「チョイ足りず」という馬たちの稼ぎどころに過ぎず、中央場所のGIに繋がる性質のものではないと考えるべきではないでしょうか。個々のレースの内容は改めて検証していくとして、少なくとも「シリーズの結果=スプリント戦線上位の能力」ではないということだけは、頭に入れておいた方が良いと思います。