今年の場合、中山牝馬S、福島牝馬Sを使ってきた馬が非常に多いのですが、この両レースは過去2回全く本番で勝ち負けになっていません。そもそも真の底力を要求される東京マイル戦と、乗り方ひとつで紛れのある中山1800や、ローカル・荒れ馬場の福島1800では、根本的に求められる資質が違うのかもしれません。
ですのでステップレース検証はひとまず終了し、各有力馬について個別に見て行きましょう。ウオッカは後回しにして(笑)、昨年のオークス1番人気2着馬ベッラレイアから行きます。
ポイントとなるのは「距離」と「休み明け」でしょう。父ナリタトップロード産駒の戦績を調べてみると、あまり良いデータは出てきません。
*表1. ナリタトップロード産駒距離別成績(芝)
*表2. ナリタトップロード産駒コース別成績(芝/マイル)

最も良績のあるのは1800-2000という中距離。そもそも父自身、現役時代はマイル戦未経験だったばかりか、1800戦への出走が1度あるだけで、後は全て2000以上のレースだったわけですから、その産駒にマイル適性がないのも致し方ないと言えます。さらに同じマイル戦でも東京コースに限定するとさらに悲惨で、何と7戦して掲示板0という戦績。「東京マイル」という括りだけでなく「東京コース」そのものが不向きと思われるデータも残っています。
次に「休み明け」についてですが、ナリタトップロード産駒の半年以上の休養明け馬の成績はこれまで「12=1-0-1-0-0-10」。掲示板2頭はいずれも中27週、距離は1800でした。距離的にやや短い今回、そのあたりがどう出るかというのもあります。
ベッラレイア自身は「オークス」→「ローズS」の中17週の休み明けはこなしていますので、それなりに動けるタイプなのかもしれませんが、今回は何分中31週という長期に渡るものですし、距離的な不安も合わせると常識的にはそう簡単にクリアできる条件とは思えません。
最後にもうひとつ、この馬のデビューから全戦の戦績を洗い直してみましょう。
*表3. ベッラレイア全成績(全て芝・良馬場)

注目したいのは自身のPCIが60を越えるような、上りの競馬しかしてきていない点です。レース前3Fが最も速かった(34秒2)秋華賞でも、Ave.3Fは37秒16、道中「16-16-17-17」と徹底的な後方勝負のスタイルで臨んでおり、純粋に速いペースに対応できたわけでありません。Ave.3Fが速い(部類の)オークスでは、自身上り35秒0止まり、PCIも55まで落ち込んでいます。
つまり前半脚を温存してこその強烈な決め手であり、速いペースに巻き込まれるようなことがあるとその威力は半減、また我関せずとマイペースを貫けば差し届かず・・・という非常に難しい展開が待ち受けているわけです。良馬場で行なわれた昨年のヴィクトリアマイルのラップは「34.8-58.2-34.3」、上位3頭の通過順は「6-6」「1-1」「6-6」・・・。ベッラレイアが対応できる流れかというと・・・少なくともここまではそれを証明できる結果は残していません。
これだけ不安材料が重なってしまうと、そこそこ人気になると思われるだけに、ここは思い切って「消し」の手が妥当ではないでしょうか。